2017.03.01
整理整頓
ものづくりをする人は、
自分を汚しながら、
綺麗なものを作る。
お客さんからもらった意見で、
机の上はしっちゃかめっちゃか。
ファイルにまとめるも
「あの人、なっていってたっけ?」となり
探し出すのに一苦労。
僕の場合、
何件も抱えると、膨大な情報になり、
頭の中は、いつも役者のように、
「次は、パン屋」
「次は、ケーキ屋」
「次は、建築士」
「次は、コーヒー屋」
「次は、染色職人」
と、それぞれの業種になりきり
頭のスイッチを切り替える。
そこには、表向きな
一般的のイメージだけでなく
それぞれの思いと
それぞれの職がら
お店の雰囲気と
働く人々
置かれる商品
街の人と、どうコミュニケーションをとりたいか
このお店はどんなところ??
どんなお客さんにきてほしい??
買ってほしい??
言葉に耳を傾けながら
思いにうなずく気持ちが
必要となります。
何も考えず、
バラバラで身勝手な御託を
出しまくる人もいれば
ちゃんと、足元を見て
共に歩むことを考え
この街に根付こうとする人も
ちらほら。
人間いろいろです。
両者とも、そこには「悩み」というものが存在し
その「悩み」を解決するため
僕らは存在するのだと思います。
その解決策として、僕らが用いる方法は
「整理整頓」。
考えにばらつきがある人は
しがらみに、悶え苦しんでいます。
部屋の状況を見たときに
とてもじゃないけれど、
掃除するには
結構な時間がかかります。
弁当のゴミ。
飲みかけの酒やジュース。
時々、ネズミの死骸。
脱いだものは洗濯せず
そのまま放置。
エロ本や、DVD。
溜まったゴミ袋の山。
ペットボトルや牛乳パックは山のように管理。
わけがわかりません。
まずは、
「いるもの」、「いらないもの」の
「整理」をする。
ここがしっかりできないと
部屋の「全貌」が見えてきません。
やりたいことの大きさ。
かすかに全貌が見え始めると、
自分の置かれた立場が、徐々に見え始め
気づく。
こんなに広かったんだね〜
じゃ、この広くなった部屋を
どうしたいですか?
おしゃれ???
一概におしゃれというけれど
どんなおしゃれをしたいの?」
ここから「整頓」が始まります。
雑誌や、専門書を持参し
自分の求める理想の形を説明する人もいれば
「心の叫び」を一生懸命伝えてくれる人も。
イメージが具体的であればあるほど
時間も、短時間で
完成までこぎつける事ができますが
心の叫びは別物です。
業種の形はそれぞれ違うし
ひとりひとり、心の形も違います。
そして、「ものを作る人」も
ひとりひとり、考え方が違います。
僕は、
「数打ちゃ当たる」
そんな精神は持っていません。
「ハートを一発で仕留める」
ゴルゴ13のような「スナイパー型」です。
だからこそ、
皆さんと正面から
向き合う時間を
多く使い、
準備する時間が
膨大に必要であって
精神を集中する時間も
膨大に必要になってきます。
打ち合わせの場所も
それぞれに合わせることを
頭に入れていますが、
場合によっては、
秘密の場所へご案内します。
森の中へ、海のそばへ
誰もいない
できるだけ気持ちの良い環境で
コーヒーを飲みながら
これからのことを話し合います。
きっと、自分のやっていることは
新しいことではないような気がします。
自分と同じようなことを考えている人が、
この狭い日本にもきっといると思いますが
こんなご時世なので行動に出るのも、
躊躇(ちゅうちょ)しているのでは
ないのでしょうか。
僕自身も、3年ほど
そんな時期がありましたが
今は「勇気」を振り絞って
前に進んでいます。
出来上がるまでの過程を
共に楽しむ。
その楽しみ方は、それぞれ。
フリーランスの面白さは
そんなところに
詰まっています。
そして、この感覚を維持できるように
新しい楽しみを作り出せるように
責任を持って、最後までできる「値」。
相場は、
「ピン」から「キリ」まで
足して、割った「値」です。
らむかな制作所は、
小規模会社なので
大企業と軒を並べるほど
財力はありません。
小さければ小さいほど
機転の効きは、小回りですが
人数は1人なので
大企業に置き換えたら
仕事の量は、数十倍です。
その「手間」を現実的に考えたら
いただく「値」も
必然的に多くなるのは
皆さんもわかっていただけると思います。
それでも、中堅企業と比べたら
10分の1の値。
大企業と比較したら
50〜100分の1。
小さいところは
小さいなりに苦労しています。
問題は、「センス」。
すべてとは言い難いですが
大・中企業にはない面白さが
小企業にはあります。
が、時間はかかります。
らむかな制作所の従業員は
今のところ「僕一人」です。
一人でできることは限られてきますが
「ハートを一発で仕留める」
表向きだけをすくい取って
数多く打ち
作ってもらうことが
あなたにとってのベストですか??
それとも
時間かけ、話し合い、
思いを汲み取って、変化を楽しみながら
一つの形を導き出すことが
あなたのとってベストですか?
両方とも正解です。
僕は後者の方です。
考えを「整理」して
やりたいことを「整頓」をする。
その行為が、
「デザイン」という言葉に
精通するのだと思います。
整理整頓 = デザイン
この作業は、生活の一部分であり
誰もが日々行っていることです。
そのやり方は、それぞれ。
ものを作る人も
やり方は、人それぞれ。
考えていることも。
自分にはどこが適してるか?
誰がいいか?
これは、僕のような
グラフィックデザイナーに
限ったことではありません。
あらゆるデザインに
当てはまることです。
迷ったら
多くのデザイナーと
話し合うところから
始めてください。
考えを「整理」して
やりたいことを「整頓」をする。
スケジュールには余裕を持って。